セーマン・ドーマン  
大峰山の山伏の修行、修験道は、陰陽道との関りも深い。
五芒星(セーマン)が安倍晴明の専売特許ならば、
ドーマンとは芦屋道満(あしやどうまん)という実在の人物で、護符として九字を使った。
安倍晴明が葛葉というキツネを母親に持つという伝説があり正体がはっきりしないのに対して、
葦屋道満は播磨の国の実在の人物である。

セーマンの五つの頂点は陰陽道の基本となる五行を表し、それを結ぶことで万物の除災、
清浄をもたらす霊的バリヤ(結界)を張ることを目的としている。
セーマンは後には安倍家の家紋となり、晴明神社の社紋。

「臨兵闘者皆陣列在前」は密教でも法華でも修験でも使う。
この場合の密教というのは正確には天台密教(台密)といい、
法華宗(日蓮宗)も元は天台宗から出ているので、この九字は修法でよく使われる。
宗派によって細かい違いがあり、この修法を行う日によって九字を切る順番が違うし呪文も多少違う。
また、用途によって線で九字を切るのみでなく、もう少し細かい書き込みを必要とする。
 ドーマン(九字))
修験道(しゅげんどう)の呪法

横5本、縦4本の棒を引いて書かれ、
9は陰陽道でいうところのもっとも極(きわ)まった数であり、
「臨(りん)、兵(びょう)、闘(とう)、者(しゃ)、皆(かい)、 陳(ちん)、列(れつ)、在(ざい)、前(ぜん)」
実際には、右上から左下へかけてクサがけに一本加えて
九字ならぬ十字にすると口伝。
セーマン
修験道ではセーマンの法は、 バン、ウン、タラク、キリク、アクの
金剛界五如来(こんごうかいごにょらい)の種字(しゅじ)
〔梵字(ぼんじ)〕を唱えて使用されるほか、
東方降三世夜叉明王(とうほうごうざんぜやしゃみょうおう)、
南方軍荼利夜叉明王(なんぽうぐんだりやしゃみょうおう)、
西方大威徳夜叉明王(さいほうだいいとくやしゃみょうおう)、
北方金剛夜叉明王(ほっぽうこんごうやしゃみょうおう)、
中央二大日大聖不動明王(ちゅうおうにだいにちだいしょうふどうみょうおう)
と五大明王(ごだいみょうおう)の名号(みょうごう)をもっても書かれる。

この星形の中央に一点を加えるのを口伝としており、
バン・ウン・タラク・キリク・アクの五真言を唱えつつ、刀印で五芒星を描き、
ウンッの掛け声と共にレ印を描いて飛ばす。

逆(さか)さまにも書かれる。
ドーマン セーマン

富貴金剛虚空蔵鉤召五字明王曰
 VaM hUM traH hrlH aH
  ばん うん たらく きりく あく
      大日・阿しゅく・宝生・無量寿・不空成就(釈迦)の五仏の種子
      福智・能満・施願・無垢・解脱の五大虚空蔵の種子 

セーマンの呪文について

問答には、
これぞ真言 秘密の法にして、口外(コウガイ)すべきにあらず。
口外すべきにあらねども、戒(カイ)を破りて申し述べん。
即ち、口をすすぎ手を洗い身を清め、東に向い歯をたたく事三十六度(タビ)し、
手に印契(インゲイ)を結び口に呪文を唱ふ。
即ち、臨(リン)・兵(ビョウ)・闘(トウ)・者(シャ)・皆(カイ)・陳(ヂン)・列(レツ)・在(ザイ)・前(ゼン)・
怨敵(オンテキ)退散・かんまんぼろん・急々如律令(キュウキュウニョリツリョウ)と唱えて、
九字(クジ)を切れば、退散する事、疑いなし。

伊勢(いせ)、志摩(しま)方面の海女(あま)の鉢巻(はちまき)には、
セーマン、ドーマンがみられ、
魔除けとなって危険な海の仕事から彼女らを守ってくれると信じられている。
また、セーマンは、家紋(かもん)として、
四国や紀伊半島、新潟などにもみられるという。
【ボロン】その名の由来
この梵字は、一切の悪い物をはらい、清浄にするという意味がある。
一字金輪王・一字金輪佛頂尊などとも呼ばれ、限りない智慧を意味し、最勝最尊佛と位置付けられる。
諸仏や諸真言の一切の功徳が集まると説かれている。大日如来と同体と言う説もある。全ての頂点・
最高尊勝の仏としての尊格からであろう。
印を結び、願意を込め、真言を一心に唱えれば、一切の願意が成就するとされる。

最強奥秘の御仏の為、他の梵字と併せて身に付ける事により誓願成就の道は開ける。
(カン・マン・ボロン)勝負の御仏に守られ、智慧を得・最勝最尊佛の助けを得る。
干支 守護梵字 発音 守り本尊
ご利益の説明
(ね) キリーク 千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)
千の慈眼と千の慈手で、延命・滅罪・除病などの功徳をもって一切の悩みを救い、すべての願いを叶えて下さるという仏様。
丑・寅
(うし・とら)
タラーク 虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)
限りない知恵と慈悲の心で福徳と知恵を授けて下さり、記憶力向上・厄除け・疾病回復に御利益がある仏様と言われています。
(う) マン 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
知恵を司る菩薩。困難を解決する知恵を授けて下さり、五智の剣で苦労や災難を断ち幸せを招いてくれます。
辰・巳
(たつ・み)
アン 普賢菩薩(ふげんぼさつ)
悟りの心を象徴し、諸菩薩の中で最も賢いといわれています。増益・長寿を授けてくれます。

(うま)
サク 勢至菩薩(せいしぼさつ)
慈悲と知力の菩薩。邪気を払い、進路を開き、苦難から救済し、福徳・長寿を授けてくれます。
未・申
(ひつじ・さる)
バン 大日如来(だいにちにょらい)
密教の最高位 びるしゃなぶつ ともいわれ、すべての災厄苦難を除き将来への道が明るく開けるよう福徳と長寿を授けてくれます。
(とり) カーン 不動明王(ふどうみょうおう)
密教では五明王の主尊。すべての災難苦難を除き、事故や災いから身を守ってくれます。
戌・亥
(いぬ・い)
キリーク 阿弥陀如来(あみだにょらい
無量寿如来ともいわれ、無限の慈悲の心で一切の苦難厄難から解放してくれ、また福徳長寿を授けると言われています。
行者作法大嶺講瀧谷吉野二見出雲